田中三郎の日記

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たなかすみこ

7.(余談)田中規矩士の妻、すみこの関東大震災

たなかすみこ著 『虹色のひらめき...を、あなたも』シンコーミュージック1984年に書かれている話です。(87ページ) 「あの日は土曜日でしたので、私の通うミッションスクール(横浜共立女学校)はお休みで、地震のあった正午少し前には家で昼食も終わり、ピ…

19. 大正12年10月22日から10月24日まで。規矩士は黒澤家を訪問する!

「10月22日(月)曇り 吉川君10時頃遊びに来たる。氏は家族一同と横浜出帆の大洋丸にて神戸に行き、それより郷里の金沢に帰りしも、一昨日また母と2人して大森の父の立ち退き所に戻りし嘉、いろいろ避難についての怖ろしき、あるいは面白き話あり。神戸は避…

20.大正12年10月25日から10月27日まで。ピアノが手に入らない。黒澤氏が見舞いに来る。

「10月25日(木)曇り夜小雨 朝早く竹須氏来たり。大井町宮本組合にて避難民慰安会を鹿島神社境内で挙行し、その際音楽もしたき旨、話あり。午後、原小学校に救助米を受けに行く際、山川氏の末子に会う。山川氏一同は震災後徒歩で野宿をして、二宮の別邸に行…

22.大正12年10月までのまとめ。

(附) 月日の経つのは早いもので震災以来二か月の星霜は過ぎた。顧みるに我が乞食となりてより、色々困難をなし、又、色々の経験をしたが、これ皆修養の一部分となった。帰って愉快である。一方震災当時は手に文庫と用箪笥んも一引き出しを持つに過ぎなかっ…

29.大正12年11月24日から30日まで。規矩士は女子音楽園でも教えていた?黒澤氏が訪ねてきた。

11月24日(土)雨 午前中、父は大貫氏(英和幼稚園裏)に行く。鶴見の副島、稽古に来たる。 昼頃隣の後藤氏、大工を連れて家に来たり。壁の様子を見る。その時父は、風呂場設置の件を話す。 いよいよ高等師範の試験(1月8日より5日間)が近づいた。この頃の…

34.大正12年12月16日から21日まで。たなかすみこから手紙が来た。父、敬義氏がピアノを教える。ベートーヴェントリオ旗揚げ?

「12月16日(日)晴 朝、規矩士兄は、旧2等汽車乗車券再交付に付き、横浜駅出札掛より通知の手紙来たりしより横浜駅に行く。新聞によると火災保険支払いの件は、1割に決定の由、規矩士兄の再交付券は3円の手数料を取られ、来年の2月15日に延期されたりと。規…

40.大正13年1月3日から1月7日まで。黒澤すみ(たなかすみこ)レッスン再開。三郎氏は組閣人事に興味津々。明日はいよいよ入学試験ですよ!

「1月3日(木)晴少し風 朝、曇っていたが後に晴れて暖かくなった。午前中、敬一兄、規矩士兄は東京に年始に行く。竹須虎之助氏、年始に来たり。昼頃まで遊んでいく。本日は餅を8個食す。父は隣の後藤氏方に風呂敷を持って年始に行く。更に原の元泉戚方に遊…

41.大正13年1月8日から1月12日まで。東京高等師範学校の入学試験当日です!皇太子殿下御成婚奉祝歌譜の写し

いよいよ東京高等師範学校の入学試験です!三郎さんガンバレ! 「1月8日(火) 朝5時に起きる。食を済まして直ちに袴を着け、如来様に礼して家を出る。 外はまだ真っ暗だ。 大森駅までは往来で人に会わぬ。駅にて少し待つ。 6時の省電に乗る。省電も大変…

60.大正13年2月1日から2月2日 バルダス教授の演奏会が報知新聞社であるようです。

「2月1日(金)晴薄曇り 朝、岩田方の大工来たり。海苔をくれる。またピアノの下に「つく」(机のこと?)を入れるように頼む。敬一兄はもう平温である。朝早くから鹿嶋神社の太鼓の音が聞こえる。父は鹿島谷郵便局に行き、為替10円を(井口氏の)をとる。帰…

71. 大正13年2月27日から2月29日まで。三郎氏風邪。井口基成初レッスン。黒澤すみ(たなかすみこ)と井口基成が出会う。

「2月27日(水)晴 曇り午後はまた晴れる 未だなかなか朝夕は寒い。今日より余は財布を新しき品と換える。午前3時ごろ小微震ありたり。父は午後、大井通りの方に買い物に行く。篠田氏夫人、一寸家に寄る。今夜竹須夫人、浜松より帰らる由。なお、本日は花の…

82.大正13年3月22日から25日まで。黒澤すみ(のちの妻たなかすみこ)が新しいピアノのお祝いを送る。東京音楽学校の卒業演奏会

3月22日(土)晴 朝は春らしく感じた。西村、魏、朝比奈、副島、時澤(妹)、岡1人、伏島、木村、露木、黒澤、鳥井氏稽古に来たる。木村氏は花を下さる。佐藤喜久雄氏、朝、訪問さる。大学入学せる由。夕方、父、規矩士兄散歩。 3月23日(日)晴 夕方雨 規矩…

92.大正13年5月1日から5月3日まで。火災保険の話。東高ハーモニカクラブ同好会演奏会

5月1日(木)曇り 今朝2時半ごろ半鐘が聞こえた。寺の下方面の火事があったのだ。 本日の朝刊に火保支払いの広告が出た。支払い開始日は5日よりにて、その前に損害調書を会社に提出せねばならぬ。調書提出日は本日より来月末日までで、我が家にては三菱海上…

96.大正13年5月20日から5月24日まで。武高の一木校長の慰労会中止。アメリカから飛行機が来た。生徒さんからイチゴやバラいただいた。蚊帳の用意。

「5月20日(火)曇りのち大雨 正午、余が正則に行く時、大雨であった。夜、虎之助氏、蚊帳の見本を持って来たる。本日は武高の一木喜徳郎氏の慰労会が精養軒であるとことであったが、中止となった。父は茶の間の障子を貼り替える。足立先生より礼状来たる。…

126.大正13年9月3日2東京市主催震災復興展覧会に行く2.日本美術院第11回展覧会。動物園見物。規矩士兄のピアノ模擬試験

(続き) 今日は公園内を三々五々兵士が散歩をしている。公園のバラックも依然としてある。ゆであずき飯の旗も所々に見える。震災一周年記念として面白い。バラック住宅も甚だしく暑そうだ。人々はごろごろ昼寝をしている。バラック村の一隅にめつしな(?)…

127.大正13年9月4日から9月11日まで。夏休みが終わる。

9月4日(木)曇り夜大雨 忍耐は快楽の門なり 午前中、露木、時澤(妹)、内藤氏来たる。父母は大森に箪笥を買いに出たる。午後4時ごろ小微震あり。夜、湯に入る。父、規矩士兄散歩。山田清君より手紙来たる。夜8時頃大雨となり、雷もした。」 また台風で…

137.大正13年11月3日から11月8日 規矩士兄、岡山、広島から帰る。海軍軍楽隊の演奏会に行く。規矩士兄浦和に演奏旅行。

11月3日(月)晴 明治神宮大祭 中大休業。敬一兄も休み。日中父母は日比谷に菊を見に行く。 虎之助氏遊びに来たる。頭髪を刈る。 夜、8時ごろ規矩士兄を迎えに大森駅に出る。特別急行にて横浜まで来たり、乗り換えて8時半に着く。岡山、広島の土産でいっ…

143.大正13年12月1日から12月7日まで。ジンバリストの演奏会。第九の演奏会の事故。第九の追加公演

12月1日(月)晴 12月分月謝を払う。経済学の試験は15日と決定す。父、東京に遊びに出て、月島校に寄る。夜、父は竹須さんの湯に行く。吉川君に昨日の礼手紙を出す。 12月2日(火)晴 時澤方より亀屋洋菓子をくださる。規矩士兄、武高日。夜、田坂、竹澤、藤…

145.大正13年12月18日から12月20日まで。東高の成績表。お歳暮の季節。豊増昇レッスンに復帰。

12月18日(木)晴 敬一兄、日中しばらく起きている。夕方、相生町の角蔵氏来訪。明日、杉田の葬式に出席するとのことで、香料(5円)をついでに届けてもらう。露木氏、「受験と学生」を返す。 12月19日(金)晴 夕方竹須おばさん来たり。稲荷寿司をくださる…