田中三郎の日記

カテゴリーに月ごとに分類してあります。カテゴリーをクリックしてから入ると読みやすいと思います。

大正13年2月

60.大正13年2月1日から2月2日 バルダス教授の演奏会が報知新聞社であるようです。

「2月1日(金)晴薄曇り 朝、岩田方の大工来たり。海苔をくれる。またピアノの下に「つく」(机のこと?)を入れるように頼む。敬一兄はもう平温である。朝早くから鹿嶋神社の太鼓の音が聞こえる。父は鹿島谷郵便局に行き、為替10円を(井口氏の)をとる。帰…

61.大正13年2月3日から2月5日 規矩士フロックコートをあつらえる。戸籍問題が解決したようです。

「2月3日(日)晴 大風 北風が吹くので、大変寒く、雪がすっかり凍ってしまった。余は8時ごろ起きた。規矩士兄は音楽学校にピアノの練習に行く。昼食に敬一兄は豆腐の汁を飲む。月島第二小学校に診断書を手紙にて出す。父はきな粉を買ってきたり。安倍川を作…

62.大正13年2月6日から2月7日 散歩に出て釣堀見学。安全組合マーケットがさびれてきた。

「2月6日(水)晴 時々曇り 本日寒餅を切る。余も母の手伝いをして切る。大変指が痛くなった。敬一兄、昼食は起きて食す。余等は安倍川。研ぎ屋にハサミを研いでもらう。午後、父と共に散歩に出る。瀧王子より鹿島谷を通り、寺の前に至れり。釣り堀を見る。…

63.大正13年2月8日から2月9日  規矩士兄の演奏会

2月8日(金)暴風 孝行は汝を宝石にす 朝、月島の諸澤、林喜代子、同声会より手紙来たる。南風ですこぶる暖かである。そして大変湿る。 余は明日規矩士兄の履く靴を猛烈に磨く。 3時頃、月島第二小学校の校医、増田章一氏、息子の東京高校入学試験につい…

64.大正13年2月13日から2月15日 バルダス教授が病気で規矩士兄が困っています。

2月13日(水)曇り後晴風 今日は寒くなった。明治学院高等学部より規則書来たる。余は更に青山学院高等学部にも規則書送付を手紙にて頼む。午後、医院に薬を取りに行く。敬一兄の病気ほとんど全快し、作曲等をしているが未だ粥食である。隣の後藤氏に便所を…

65. 大正13年2月16日から2月18日 敬一兄出勤!三郎氏の受験校の話とか、ピアノの話とか。

「2月16日(土)晴 風 今朝も5時半ごろ小微震ありたり。甘いかき餅を切る。天気が良いので、飛行機来たる。青山学院高等学部より規則書来たる。外国語学校と試験日が同一なので大いに困る。午前中、副島、露木、市川来たる。午後より西村、朝比奈、伏島、時…

66.大正13年2月19日から2月21日 規矩士はピアノ練習。敬一は作曲。

「2月19日(火)晴 曇り夜遅く小雨 規矩士兄は武高日なり。朝は未だ霜柱が立ち寒い。敬一兄は8時半に家を出る。今朝、阪川牛乳商店という者、見本に牛乳1本を家に入れてゆく。また、天業民報社より新聞を持って来る。2銭で買う。例の田中智学氏一派の言説で…

67.大正13年2月22日から2月23日  規矩士兄はオーケストラ演奏会に出演。敬一兄は東高に出勤!

2月22日(金)曇り夜少雨 規矩士兄は本日音楽会の総練習の由。朝、千葉の入野氏より規矩士兄に手紙来たる。それは震災見舞いとして新毛布を呈すると言う。場所は中渋谷(渋谷停車場を降り、左に大通りを行き、道玄坂に至らんとして右道に入り、大向小学校を…

68.大正13年2月24日から2月25日 祖母の祥月命日。火災保険の話題。

2月24日(日)晴 微風 朝2時半ごろ半鐘が盛んに鳴っていた。風があるので心配したが、遠いらしい。貯金局より確認書来たる。午前中西村、岡3人稽古に来たる。また市川氏も来たる。今日もまた一段と寒い。家内に乾かしてあった甘いかき餅が、ほとんど固くなっ…

69.大正13年2月26日 1 三郎氏は火災保険の話題が興味津々

2月26日(火)晴 未だ寒さが治らず。今日は規矩士兄は武高日である。伊勢四日市に居る梶浦氏(以前ピアノ弟子)より、時候見舞の手紙、規矩士兄に来たる。また、明日より音楽学校にて学友会音楽会のオーケストラ練習練習をする旨の通知あり。火災保険の問題…

70. 大正13年2月26日 2 井口基成登場!三郎氏は自分で天丼を作った。

夕方井口基成といえる中学生、分教場の宇佐美教師の紹介にて規矩士兄にピアノ教授をたのみに来訪さる。氏は日曜日も本日も音楽学校に規矩士兄を捜しに行ったと、あいにく規矩士兄は留守で、父が応対す。氏は神田猿楽町に住み、中学3年生なるも将来音楽学校受…

71. 大正13年2月27日から2月29日まで。三郎氏風邪。井口基成初レッスン。黒澤すみ(たなかすみこ)と井口基成が出会う。

「2月27日(水)晴 曇り午後はまた晴れる 未だなかなか朝夕は寒い。今日より余は財布を新しき品と換える。午前3時ごろ小微震ありたり。父は午後、大井通りの方に買い物に行く。篠田氏夫人、一寸家に寄る。今夜竹須夫人、浜松より帰らる由。なお、本日は花の…